お金を失いやすい習慣を持っている社長は、それだけ資金繰りに行き詰まりやすいというリスクを抱えています。その結果、お金を残せないということにつながっていくのです。この根底を突き詰めていくと、お金を使い方がコントロールできていないという原因にたどりつくとされています。つまり、お金を残せる社長とそうでない社長の違いはお金の使い方をコントロールする力の差にほからなないのです。
中には、自分で稼いだお金を自由に使って何が悪いという人もいます。日本の中小企業の多くはみずからが会社の出資者であると同時に社長であることがほとんどです。これは、社長自らが経営の全責任を負っていることを意味し、それゆえ会社の財布のひもを社長が握ることは当然のことになります。しかし、このような状況では、会社内のけん制作用が働きにくく、結果、社長の思うままにお金が使われやすいともいえるのです。
つまり、会社の資金繰りは社長のお金に対する知恵そのものにゆだねられています。リスクを一身に背負い、経済の大きな一翼を担っている社長にとってささやかな贅沢や見栄は明日への活力ともいえるものです。そのため、社長であれば多少なりとも資金繰りに影響してしまうような悪習慣があってもおかしくはありませんし、人間の愛すべき素養の一つでもあります。しかし、このような愛すべき社長ほど、不況時にたちまちお金を失い、窮地に陥ることが多いため、見直せるべきところは見直し、知恵をつけて賢くお金をのこせる社長になることが重要です。